司法書士に相続業務を依頼するメリット【司法書士は意外と安い?】

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司法書士ふじい相続オフィスの藤井と申します。

相続手続きと聞くと、「面倒」「複雑」「費用がかかる」といったイメージをお持ちの方も多いかと思います。実際、相続には専門的な法律知識が求められ、遺産分割協議、不動産登記、銀行等の名義変更など、幅広く多岐にわたる手続きが必要です。

今回は、「司法書士と他の専門家の違い」「司法書士に依頼するメリット」「料金に関する注意点」などを、現場目線でわかりやすく解説いたします。


1. どのように専門家を選んでいますか?

ご親族が亡くなられた後、相続手続きを専門家に依頼する際、最初に迷うのが「誰に相談するか」ではないでしょうか。よくあるパターンは以下の3つです。

● 知人からの紹介

知り合いに士業の方がいれば、安心感があるためそのまま依頼されるケースが多いです。

● 葬儀業者や銀行からの紹介

葬儀会社や金融機関の窓口を通じて専門家を紹介され、そのまま依頼に至るケースもあります。
ただし、こういった紹介には注意が必要な場合があります(後ほど詳しく説明します)。

● インターネットで検索

ご自身で調べて専門家に依頼するケースです。複数の事務所を比較できるメリットがありますが、相続に関する最低限の知識がないと、どの士業に依頼すべきか判断が難しいという側面もあります。


2. 各士業ができること【比較表付き】

相続手続きを業務として扱う専門家(士業)は複数ありますが、それぞれ対応できる範囲が異なります。以下の表にまとめました。

業務内容司法書士弁護士税理士行政書士
不動産の相続登記◎(専門)△(可能だが実務は稀)××
相続トラブルの対応×◎(専門)××
遺産分割協議書の作成△(登記には不向き)
相続税申告・税務相談×◎(専門)×
戸籍収集・相続人調査
銀行・証券の名義変更
家庭裁判所への申立書作成〇(書類作成のみ)◎(代理可能)××
許認可関連業務××◎(専門)
費用感安め~普通高め(成功報酬あり)高め(資産に比例)安め~高め(内容により変動)

3. 士業ごとの特徴と依頼時の注意点

【弁護士】

相続問題のうち、「争い」が生じているケース(遺留分侵害、使い込み、異議申立てなど)では弁護士が対応します。代理人としての活動も可能ですが、相続人間の関係性に緊張感を生む可能性もあるため、円満な相続を希望する場合は注意が必要です。

【司法書士】

不動産の名義変更(相続登記)が専門です。相続人間で合意が取れていれば、遺産分割協議書の作成なども対応可能。争いがある場合は介入できませんが、手続き全体の調整役として機能しやすく、費用も比較的安価です。

【税理士】

相続税の申告や評価、税務相談を専門とします。遺産の規模によって報酬も変動しやすく、他士業と連携して業務を進めることが一般的です。

【行政書士】

車の名義変更や各種許認可手続きに強みがあります。遺産分割協議書の作成も可能ですが、登記や税務申告には対応していないため、実務で使えない書類が作成されることもあるため注意が必要です。また費用に関しても司法書士と同様手続き業務がメインとなりますので比較的安価ではありますが、行政書士は書類作成までを担当し登記等が発生すれば別料金(司法書士に再委託)という料金体制のため、特に不動産が絡む相続の場合は司法書士に最初から依頼する方が安くなるケースも多々ございます


4. 実際に専門家へ依頼するケースとは?

多くの場合、以下のような状況で専門家への依頼が必要となります。

  • ① 相続人間で争いがある → 弁護士へ相談

  • ② 不動産の名義変更がある → 司法書士が適任

  • ③ 相続税の申告が必要 → 税理士に依頼

このように、相続の内容によって依頼すべき専門家は異なります。


5. 初回相談は「司法書士」がオススメな理由

どの士業に相談しても間違いではありませんが、「最初の相談窓口」としては司法書士が非常に適していると考えています。その理由は以下のとおりです。

  1. 不動産が絡む場合、ほぼ確実に司法書士の業務となる

  2. 相続税が発生する場合でも、不動産が絡まないケースは極めて稀

  3. 相続税が不要なケースでも、銀行口座等の名義変更は司法書士が対応可能

  4. 弁護士からのスタートは、相続人間の関係性に影響を与える可能性も

  5. 名義変更を含めた一連の手続きが比較的安価で完結できる

さらに、司法書士は紹介料の授受が法律で禁止されているため、真に依頼者のためを思った形で他士業をご紹介することが可能です。


6. 士業ではない業者紹介の事務所にご注意ください

最後に注意喚起として士業ではない業者紹介の事務所には是非ともお気をつけていただきたいお話をさせていただきます。

まず非常に高額な料金設定です。

一般的な相場から2倍~3倍の料金設定というケースも少なくありません。

相続手続きの相場というのはある種ブラックボックスで、基本的には〇〇円~という表記で実際にいくらなのか、いくらぐらいなのかというのはわかりにくい業界になっています。

そして見積もりが手に入った時には、「相場が分からないし、ここでいいか…」「自分で探すのは面倒だし…」となってしまい、契約になることが多いです。

もちろん中には適正価格の事務所もございます。

しかしあからさまに法外な価格の事務所があるのも現実です。

多少面倒でも、ご自身でインターネットで近隣の事務所を検索し、初回相談1時間で見積もりをとってみてください。

それだけで〇〇万円安くなるケースもございます。

銀行の相続パッケージサービスも同様です。基本料金110万円~の例のアレです。

銀行サービスも結局は法律が絡むところは各士業に丸投げです。各士業は下請けです。銀行が多くの手数料をもっていきます。

最初から士業にお願いしたほうがよくないですか??

ケースにもよりますが、半分程度の金額でお手続きができることだってございます。

「1時間ネットで調べるだけ」「ちょっと知り合いにきいてみるだけ」「1時間面談にいくだけ」

たった1時間調べるだけで、10万円以上差が出るケースもあります。

「少し調べるだけで〇〇万円の節約になる」可能性があるということを、ぜひ覚えておいてください。


◆ 最後に

「安ければ良い」というわけではありませんが、「法外に高い費用を払う必要もない」はずです。
このブログをお読みいただいたことで、一人でも多くの方が落ち着いて情報を整理し、納得できる形で相続手続きを進められることを、心より願っております。

相続についてお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。